IT国家をささえるエストニア人のアイデンティティー
この広場はエストニア独立戦争を記念したモニュメントがある、フリーダムスクエア。
とても平和そうなエストニア。
1991年に独立を回復したものの、ロシアと国境を隣あわせてにしているエストニアは現在でも、
ロシアからの進行に備えて軍事訓練を行っているそでうす。
2014年にロシアがウクライナからクリミアを併合したことをきっかけに、
ロシアに対しての警戒はかなり強まり、
民間人の中にもエストニア防衛連盟の予備部隊に加入している志願兵が2万5000人程いるそうです。
また、エストニアはSkypeの生まれた地であり、IT先進国です。
日本でも導入の始まったマイナンバー制度ですが、エストニアではすでに電子政府制度が整っており、
国民IDで選挙の投票やの納税もできるし、銀行口座へのアクセスや医療の診断記録も管理できるようになっています。
民間企業ともシステムが統合できているので、サービスも幅広く効率的。
こんなにもITが発展したのは、エストニアという国を守るためだそうです。
たとえ、また他国に支配されようとも、IDをもった国民はどこにいてもエストニア国民として繋がることができるのです。
エストニアの電子政府は、世界数か所のデータセンターに分散されており、
国自体がクラウド的な感じで存在している、まさに近未来の国。
こんなにIT国家なのに、中世の面影が残るおとぎの国みたいな街をみていると、
そんな風には全然思えません。
近代化が進み、なんでもインターネットで済ませられる時代になったけど、
この国ではその恩恵をうけつつも、伝統を守り、自分たちのアイデンティティーを強く持ち、
人との繋がりは大切にしながら前に進んでいるように感じます。
タリンの街の高台には、15世紀に建てられた塔があり、
その塔の上にはそれぞれの時代に統治していた国の旗が掲げられてきました。
今はもちろんエストニアの国旗ですが、また私が訪れたときも、私の次の世代の人達が訪れた時も、
これからもずっと、エストニアの空にエストニアの旗が掲げられているのを見ていたいです。
未来型国家エストニアの挑戦電子政府がひらく世界【電子書籍】[ ラウル アリキヴィ ]
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